来るときが来た

その時は突然やってきたんだ。
天使のような笑顔をたたえたキミが僕の前に現れたんだ。
まだよちよち歩きのキミが。
そして僕に話しかけてきたんだ。



最初は、うん、聞き間違いだと思ったよ。
もしくは人違いかなって思ったよ。
でもそこにはキミと僕しかいなかったんだよね。
そしてその言葉は間違いなく僕に向かって言った言葉なんだよね。



『ねえ、おじさん』



30歳まで待ってほしかったよ。
まだまだお兄さんだと思ってたよ。
でも、キミの言った言葉を受け入れようと思うんだ。
だってキミは本当にそう思ったんだもんな。

明日から、僕はおじさんだ。