おおらかな時代

1月2日はOB会の日。これは僕が高校を卒業してから14年間変わらない決まり。この日は高校の部活の集まりが毎年開かれています。今年は珍しく2年連続の参加。懐かしい話や現況報告で楽しい時間を過ごしました。
話題になったのは高校時代の応援練習。
僕の通っていた高校は当時男子校で(数年前に共学化。可哀そうに)、入学するとすぐに、新入生全員”入団式”という応援団に入団する儀式に参加させられました。応援団というのは、ライバル校との野球の定期戦用の応援団で、校内では神格化された応援団幹部の下、入学から約1か月、地獄のような応援練習に耐えなければいけないのです。ま、その応援練習は後で触れますが、この”入団式”が結構えぐい。
薄暗くした講堂の中央に新入生は正座させられ、その周りを何百人もの上級生が囲み地鳴りのような罵声を浴びせます。その異様な雰囲気の中、応援団幹部が登場。長々と講釈をたれたり、演武をしたり。その間も上級生の罵声は飛び続け、正坐に我慢できなくなった新入生には生卵が飛んできます。わかりにくいかもしれませんが、オカルト宗教の儀式みたいな感じですかね。この入団式ですっかりマインドコントロールされてしまうわけですが、こんな式が学校の公式行事だったのだから笑っちゃいます。
入団式の翌日からは毎朝7時に登校し、教室で応援団幹部つきっきりの応援練習。応援歌は全部で十数曲あり、それを暗記するわけですが、少しでも覚えていなかったり、反抗的な態度をとると蹴られたり殴られたり。どう処理したのか今となっては謎ですが、隣のクラスでは骨折させられた生徒がいたほど過酷な練習です。お陰で1ヶ月後には、全員気持ちが悪いほど揃った応援が可能になっていました。
当時は高校に行くのが億劫になるほど嫌なものでしたが、今思えば懐かしい思い出。世の中には理不尽なことなんていくらでも転がっているわけで、進学校に入学してきた温室栽培のもやしっこを鍛えるにはいい風習だったと思うのですが、生卵のことや練習中での怪我が問題になり、僕らが卒業してしばらくしてかなりマイルドな応援練習になったと聞きました。なんだか悲しい。
当時は高校の先生たちもおおらかでした。居酒屋で3年生の追い出しコンパをしていたら、隣で学年主任の先生が飲んでいて見つかりましたが、翌日顧問の先生に部員全員で怒られただけで済みました。そして翌年の追い出しコンパの当日(だった気がする)、これから生徒たちが飲みに行くのは重々承知の上で、その顧問の先生が「ほどほどにな」と意味深な言葉をかけてくれたり。新聞報道なんかをみていると、今はそうは行かないのでしょうが、なんだか世知辛い。
そんな話をしながら、ああ、結構年月が経ったんだなと思ってみたり。
あ、年が明けましたね。今年もよろしくお願いします。